トヨタがソフトバンクと業務提携し、共同出資会社MONETが出来ましたよね。これまで技術は自前だったトヨタがモビリティ社会の変革により様々な企業と手を組むようになりました。外部の人間からみるとトヨタは焦っているように思えます。
なぜこんなにも世界のトヨタが焦っているか?不思議ですよね。しかしこれには理由があります。
これまでトヨタ含めた自動車メーカーはドライバー、すなわちエンドユーザーに一番近い存在にいました。そのため市場のニーズや情報を一番に吸い出せる立場にありましたし、ユーザーをコントロールする事もできました。しかし、Maasというモビリティ革命により、ユーザーとトヨタの間にプラットフォームができ、自動車だけでなく様々な移動手段を提案してくれる仕組みができるようになりました。さらに自動運転の時代がやってくると、ドライバーだけでなく移動する人全員がその利用者となり、プラットフォーマーがその移動手段の選択や移動ルートを決定するようになります。従って、このままいくと自動車メーカーはプラットフォーマーの指示系統に従う1つの移動手段に成り下がってしまうのです。そうなってはまずいとのことで、プラットフォームの業界にも参入してきたというのが現状です。
しかし今回、他社と組んで参入する戦略を取ったのは非常に賢い判断だと思います。安全、安心が基本の車両業界は、開発品の評価に十分時間を掛ける必要があり、どうしても販売までに時間が掛かります。販売後に不具合を改善するソフトウェア業界とは全く文化が違いますし、かつこれまでのやり方を変えるのはここまでの大企業だと難しいです。なので、経営層は自己分析をしっかりした素晴らしい決断だったと思います。そういった意味でもトヨタという会社は凄いなあと改めて感じました。これからのMaas業界でのトヨタのプレゼンスを期待したいですね。